妻は私の腰ベルトを掴まないと自立歩行ができません。脚力の維持のため月2回程度、富山県中央植物園でウォーキングを行っていましたが、この夏、自宅で転倒を繰り返したことで外出をずっと控えていました。
車イスを押したことがキッカケ
11/3、久しぶりに中央植物園に行き、入り口で念のため車イスを借りました。 妻はいつもの腰ベルト、車イスは私が押していたのですが、すぐに「私にも貸して」。 すると「これは楽だわ」とスタスタと行くではありませんか。
これは歩行器をすすめるチャンス! と思い、切り出したところ、そうね、試してみるかなとの返事。歩行器はまだまだと言われてきたのでよい機会でありました。
ケアマネさんに相談
11/7に担当のケアマネさんが介護保険の更新のために来られ相談したところ、業者を紹介してもらうことに。さっそくその日の午後、O医療器のKさんから電話があり、11/9に妻の通所リハに数台持ってきてくれることになりました。
事前にこちらが希望したのは、
・スタイリッシュである(シルバーカー然としたのはヤダそうで)
・下り坂で加速しない(自動ブレーキつき)
・重量は気にしない(私が運ぶので)
自動ブレーキ3台をお試しで預かる
通所リハで担当の理学療法士さんの意見も聞いて候補を3台に絞り、一週間お預かりしてそのうちの1台を11/16から借りることになりました。 レンタル料金は基本1カ月で、始めたりやめたりするときは半月で計算してくれますので16日というわけです。
写真左が、カワムラサイクルのKW41、
中央がRTワークスのRT2
右がパラマウントベッドのハンディウォーク
KW41とハンディウォークは、抑速ブレーキ付き、RT2は電動式です。
さっそくテスト
翌日、さっそく中央植物園に繰り出しテスト。
まず妻がRT2、私がハンディウォークでスタートしました。妻は調子よく歩いています。橋の手前の登り坂にさしかかったとき「あれっ、軽い軽い。平地と同じみたいだよ」
どうやらモーターのアシストが働いたのでしょう。下り坂では逆にブレーキがかかるので安心して自分のペースで歩けるそうです。
「抑速ブレーキ」は進まない
その間私は妻についていこうとしますが、ハンディウォークがなかなか進んでくれません。いろいろ試してみると、ブレーキが働く後輪はゆっくりのスピードならスムーズに回るのですが、ちょっとでも急ぐと重くなります。そう、それが抑速ブレーキ。
効きの強さは3段階に調整できますが効き始めるスピードは調整できないようです。その設定速度が妻の歩くスピードには合わない。交代したら「これじゃ遅すぎるわ、なかなか進まんが」
たぶん歩行器の対象患者さんは、症例の多い脳梗塞の後遺症など、足がなかなか前に出ない方を想定して開発されているのではないでしょうか。だから抑速ブレーキが効き始める速度は、健常者からみるとかなり遅いのではないかと思うのです。
かたや脊髄小脳変性症の初期はバランスがとれないだけで、足は健常者並みに前に出ます。一方でスピードの出過ぎや下り坂などは、転倒のリスクが高まるので、ブレーキはしっかり効いてほしい。
電動にハマった
妻はすっかりRT2が気に入ったようで、どんな点がいいのか尋ねました。
・普通のペースで歩ける(自動ブレーキ発生速度が調整できるので遅くもできる)
・登り坂でも重くならないのでラク(自動アシスト)
・下り坂はブレーキがかかるので安心(自動ブレーキ)
・回るのがラク(大径輪キャスタでその場で方向転換がスムーズ)
アシスト、ブレーキ、速度の3つが、それぞれ細かく設定できるようになっています。個人差やその日の体調、負荷のかけ方によって調整できるなんて、すごい機能ですね。
シルバーカーとは似て非なるもの
歩行器についていろいろ調べましたが、利用された方の感想などは意外と多くありません。またシルバーカーと歩行器は似て非なるものでした。シルバーカーは、歩行に問題はないけれども体力のない人が荷物を運ぶことを前提に設計され、ハンドルが前にありますので姿勢が前傾しがちです。歩行器はハンドルをできるだけ腰近くに位置させて体を支え、自然と姿勢よく歩くようになっています。3日間使ってみて、妻が「これなら出かけるのが楽しい」と言ってくれたのが何より嬉しく思いました。
レンタル料金は月額300~900円。利用する人の残存能力の程度によっていろいろなタイプが揃っています。たまたま妻には、電動が向いていたということだと思います。
RT2など電動歩行器は技術の最先端ですがこれからも改善改良されていくでしょう。機種変はいつでもできるそうですので、モデルチェンジしたらまた試したいです。(S・M)