さとみさんの訃報(S・M)

 わかち誌に毎号短歌を投稿してくださった「さとみ」さんの訃報が届きました。
 バックナンバーをめくってみると、さとみさんが初めて投稿されたのは第16号、2015年の8月です。 最初はイニシャルでしたが2回目からは「さとみ」をペンネームにされていました。 身の回りの自然や時の流れを細やかに描写しながら、自身の病との折り合いをつけているような気がしました。

しんしんと 降り積もる雪
言葉には ならぬ想いも積もっていく

またいつか 会う約束の日 きっとない
その方がいい 私は生きる

 さとみさんは男の子が3人おられるようです。 盆や正月に子や孫に会える喜びが伝わってきます。

孫連れて 新幹線で 次男来た
また来るねと 楽しみ置いて

仕事を終え 夜行バス 三男に
会えること 胸がおどる

お正月 君らの笑顔 包まれて
親であること 幸せに想う

 短歌ですので、「君」がけっこう登場します。
 昔もそうですがさとみさんのも最愛の人を指すのだと思います。

出来る事 出来る範囲で するだけと
ただ君のじゃま したくないから

純粋に 楽しんでね デイサービス
信頼している 君の言うこと

冬の青空 君と公園 出かけよう
お日様向かう 寒椿たち

 ただ次の「君」はどなたを指すのか。
 交流会に出席できなくなっても、わかち会の仲間を思い出してくれていました。

「あたわり」という君の文字
なつかし「わかち」皆を思い出す

 合掌