転倒防止に杖は役に立つか(S.M)

前回のリレーエッセイで、患者Aさんが転倒防止用の杖を検討していると書いておられます。
さっそく今日の交流会で話題にしました。

歩行器を使っているIさんは、ふらつきが強まって杖を試してみたけれど安心して歩くことができず、すぐに歩行器にしたそうです。
同じく今は歩行器のMさんは、2年ほど前は外出やウォーキングでは登山用ストックを両手で使っていました。バランスが取れないのは杖を使っても同じだが、2本だと左右のバランス修正が楽だったとのことです。
3人の遺族会員の方は、つれあいはそろって杖は使いづらかったようで、使用期間は短かかったとのこと。
一方、車イスのMさんやNさんは4つ足杖を使っていた時期があり、最近欠席しがちな女性のAさんは何年もずっと杖2本で自力歩行されています。ちなみに彼女は痙性麻痺です。

このように、みなさんの病態が多様であることから杖の効用については人それぞれであることがわかりました。

はっきりしていることは、杖は基本自力歩行が可能でふらつきが少ない時期には転倒予防に効果はあるが、何かに掴まらなければならない段階での使用は逆に危険ですらある、ということです。

こちらでも「症状の軽いうちは杖を使うと安定します」とあります。http://scd-msa.net/family/equipment/

結論からいえば、MSAやSCDの3の場合、歩行時のふらつきの進行が速く、多系統で症状が出てきますので杖が使える期間が短いと考えられます。一方でSCDの1や6は症状が体のふらつきだけであることが多く、進行も遅めであることから、一定期間の使用が有用かと思われます。痙性麻痺も同様です。

さて肝心の相談者のAさんにはどんな杖がいいのでしょうか。
やはりAさんの今のふらつきの度合い、バランスを崩した時に体勢をしっかり堪えることができるか、後ろ突進はどの程度か、一人での外出が多いのかなど、個別の状態と希望を伝えて、専門家からアドバイスを受けるのが一番よいのではないかと思います。
交流会の終わり際に、Yさんが「理学療法士のタムラさんに相談したら? タムラさんは神経難病についてよく知っているから」と言われ、私もそれが早道だと思いました。