2023.9.10 交流会を氷見市で開催

わかち会では、脊髄小脳変性症や多系統萎縮症と診断され、不安でいっぱいの患者や家族が、交流会などを通じて励まし合ってきました。
これまで富山市で開いていましたが、今回は呉西の患者・家族が参加しやすいよう、会場を氷見市に移して交流会を準備しました。
会場として選んだ「氷見市芸術文化館」は、2022年10月に元の市民病院の跡地に建てられたものです。駐車場は無料。施設の入口近くに障害者用スペースが6台分あり、雨の日でも濡れずに乗り降りできます。
交流室の隣に障害者用トイレがあり、ハイブリッド開催に必要なWiFiが使えるのも便利です。

当日はVHO-netの助成金で購入したばかりのWEBカメラを使ってみました。また東京から来られたS・Hさんの飛び入り参加もあり、楽しい交流会となりました。

そうだ富山、行こう
S・H(東京在住)

 数年前SCDの診断を受けて以来、車で各地を旅するようになりました。私の旅の目的は観光ではありません。ただひたすら運転に集中しつつ、車窓を流れる景色をやり過ごすのみ。行き先がどれほど遠方だろうが気にしません。ハンドルを握るこの時間には、難病から解放された自分がいます。そう、車旅は私にとっての「心のリハビリ」なのです(=「現実逃避」とも言います)。

ふと目にしたわかち会のウェブサイト
病気が徐々に体の機能を奪っていきます。いつまで運転できるかもわかりません。だから、行けるうちに行こうと思うのです。焦りにも似た感情が私を駆り立てます。そんな時、ふと「わかち会」のウェブサイトを目にしました。富山わかち会の活動は全国友の会サイトを通じて知りました。患者さんやご家族の活発な交流活動の様子を拝見し、いつか機会があれば皆さまにお会いしたいと願っていました。そして「9/10氷見市で交流会開催」の告知を発見。富山は20年以上前に出張で訪れたのみ。それに最近、単なる車旅では「何か物足りない」と感じていました。もうこれは「行くっきゃないでしょう!」。しかし、待てよ。そうは言っても、果たして東京から飛び入り参加が受け入れられるだろうか?
長年培った会の雰囲気に水を差しかねないのでは?恐る恐る事務局長の松村さんにメールを送信、「県外からの参加は可能でしょうか?」と。すると杞憂をよそに「是非どうぞ」とのお返事をいただきました。ありがたき幸せ。

心に刺さった若いNさんとTさんの話
交流会では自己紹介から始まり、それぞれの病歴や生活上の工夫などを情報交換しました。各々のお話の合間には、事務局から関連情報やその他事例の補足説明もいただき、とても有益でした。皆さまの率直かつオープンなお話に感銘を受ける一方で、参加者同士の信頼感と交流会が醸し出す柔らかな雰囲気が印象的でした。長年の地道な活動の積み重ねが、今のわかち会を築いたのだろうと感じました。年齢、病型、病歴もさまざまでしたが、淡々と語られるその裏にどれだけの苦労、苦悩、葛藤があることでしょう。
特にまだお若いNさんとTさんのお話が心に刺さりました。人生前半で発症されたお二人の病気への向き合い方に、自分を重ねます。私の悩みなど比較にならないと思いました。そして不思議と皆さんのお話を聴くにつれ、日頃のモヤモヤが少し軽くなったような。何だろうこの変化は。まさにカタルシス効果。これが「交流会のチカラ」なのだと実感しました。この場に参加できて本当に良かった。

思いを新たに病気と向き合う
わかち会の皆さま、このたびは東京から押しかけた私を快く受け入れてくださり、ありがとうございました。いま一度病気と向き合い、リハビリにも真剣に取り組もうと思いを新たにしました。現実逃避が目的の車旅では得られなかった「心の栄養」と「前向きに生きるチカラ」を充電し、翌日帰路に就いたのでした。「何か物足りない」と感じていたのは、旅先での出会いと交流だったのですね。またいつの日かお会いできることを楽しみに、東京での日常へ戻ります。