貸切で安心して楽しめた
3月はいつもと雰囲気を変えて食事しながらの交流会でした。会場は富山第一ホテル最上階のルミエールです。個人で出かけるにはちょっと敷居が高いレストランのコース料理。普通なら他のお客さんの視線が気になりますが、今回はわかち会の貸し切りです。広い会場はガラス張りで東は立山連峰が、西は城址公園から呉羽丘陵が遮るものなく見渡すことができます。車イスの会員さんも余裕でテーブルについて、安心して食事を楽しむことができました。
かなりまいっていたHさん
非日常の豪華な雰囲気のせいか、初めはやや緊張気味の静かなスタートでしたが、オードブル、スープと続くうちにようやく会話の花が咲き始めました。久しぶりに顔を見せたHさんに「ご主人はその後いかがですか?」と水を向けると、Hさんは堰を切ったように今の厳しい状況を話し始めたのです。病状の進行がとても速いそうでご主人との意思疎通もうまくいかず精神的にもかなりまいっていると涙ながらに話されました。
解決の特効薬はなかなか見つかりません。でも、みなさんが親身になって話を聞いてくれたからでしょうか、恒例の近況報告がひと回りしたあと Hさんが「私はこの会を退会するつもりで今日来たのですが、みなさんのお話を聞いてやめないことにしました」と言われました。嬉しかったです。
息子さん夫婦と一緒に参加したUさん
もうひとつ、印象に残ったことは、車イスのUさんが息子さんとそのお嫁さんと3人で参加されたことです。息子さんは自己紹介の中で35歳で発症したこと、40歳で仕事をやめなければならなかったことを話されました。お嫁さんは、病気がわかったときは落ち込んだが、今はみんなで助け合って前を向いていこうと思っている、とおっしゃったのです。
私は若い患者さんのことがいつも気がかりでした。なぜなら私たちの世代と違って仕事を持っていること、医療や介護の恩恵は中高年向けに制度設計がされていること、若い患者同士の交流は機会が少ないのではないかとか、いろいろ思うわけです。きっと病気のことを真剣にネットで調べたり、仕事に支障が出てこないか悩んだり、友人関係や長い将来について大きな不安を抱いていることでしょう。
Uさんの出席をきっかけに、わかち会でも若い世代のことを考えてみたらどうでしょうか。(S・M記)