ロバチレリンに「条件付き早期承認制度」を
2/22、厚労省に要望書を提出、意見交換
2023年2月22日、SCD・MSA全国患者連絡協議会(以下、連絡協議会)は、ロバチレリンの承認について、厚労省と面談及び意見交換を行い、現地およびオンライン合わせて各地の患者会から25名が参加しました。
希少難病にふさわしい審査を求め
一昨年12月にロバチレリンの承認申請が行われて以降、連絡協議会は早期承認を求めて22年2月、5月、12月と3回に亘って厚労省と面談を重ねてきました。しかし治験成績が微細であることや事後解析(併合解析)は認められないなどの理由で、1年を経過した現在も承認に至っていません。
そこで今回の面談で提出した要望書は、これまでの「一日も早い審査・承認を」から「医薬品条件付き早期承認制度の適用を」と、より具体的な内容となっています。
この審査承認のやり方は最近になって制度化されたものです。厚労省のホームページでは、「患者数が少ない等の理由で臨床試験が困難、長期間を要するなど、重篤で有効な治療方法に乏しい疾患の医薬品開発」と説明されています。
面談では新保共同代表が要望書の説明を行い、質疑ではまず「SCD・MSAが条件付き早期承認制度の対象疾患となるかどうか」が焦点となりました。 要望書の内容はこちらをクリック
ここでは質疑の要点のみを記載しています。
(注:以下の内容は当日の発言を再現したものではありませんので、SNS等への無許可の拡散はご遠慮ください)
協議会
この制度の適用についてはポイントは2つあると思う。
1)私たちの疾患がこの制度の対象疾患となるのかどうか。
2)ロバチレリンの治験成績が、通知の「一定の有効性と安全性が示されると判断される」を満たしているかどうか。
SARA1点は通常の審査では不十分なのかもしれないが、希少難病だからこそ、この制度の適用になるのではないか。
厚労省
対象疾患については、あてはまるであろうと思う。
実際にこの制度の対象となるかどうか、ということについてはデータを見て個別の状況に応じて判断されるという形になる。
(ロバチレリンの)メーカーが希望し、今ある臨床成績で確認できたということであれば、審議会の意見も聞いた上で手続きを進めるということも排除はされないと思う。
協議会
われわれの病気が、条件付き早期承認制度の対象である、と聞いて安心した。
安全性はクリアしているし、有効性も専門の先生方からはあると聞いている。
「一定の」というのは全体のハードルを下げているわけではないと言われたが、この言葉を素直に読むと、やはり幅があると思う。
われわれはPMDAと直接話ができない。こちらが推薦する専門家とも十分意見交換をしていただきたい。
協議会
去年亡くなった母はセレジストでは間に合わなかった。これからも亡くなる方を、ただ見ているわけにはいかない。
協議会
RDDイベントで患者さんが医学生に自分の病を語った。高校生で発症した妹さんが一昨年亡くなった。5年前に自分も発症し、たまらない気持ちでいる。早く新薬を使えるようにしてほしい。そしたら私の未来が少し変わるかもしれない、と結んだ。
まだ30代の彼女たちの未来を、1日も早く明るいものにしてほしい。