最近読んだ本 (boku)

先日、「田園発 港行き自転車」文庫本上下巻を読み終えました。作者は宮本 輝氏で2012年から2014年にかけて、北日本新聞に連載されました。富山県東部、主に滑川市と入善町が舞台の中心となった物語です。もう一つの舞台である京都は、私が学生時代を過ごしたところでもあり、懐かしい地名が出てくるたびに場所を思い出しながら、ゆっくり読み進めました。この物語には主人公と思われる人物はいませんが、読み進めていくうちに繋がりが不明であった登場人物の関係が解明されて行き、推理小説のような感覚で読みました。入善町の田園風景、滑川市の漁港風景、富山の方言での会話などが印象深く、爽やかさと心地よさをたくさん残してくれた小説でした。作者の宮本 輝氏は、同じく富山県が舞台である「蛍川」で芥川賞を受賞されており、自らも富山市で少年時代を過ごしています。また「北日本文学賞」の選者でもあり、最も富山県と関わりのある作家のひとりです。私は「蛍川」と「彗星物語」しか読んでいませんが、これからも機会があれば宮本作品を読んでいきたいと思います。